一口問答(法の深信4)
問い
親鸞聖人が、「まことに知んぬ」と仰っているのを否定するのですか。
答え
親鸞聖人は『教行信証真仏土巻』で、経典と天親菩薩・曇鸞大師・善導大師等の御文にある浄土の記述を紹介された後、初めて御自身のお言葉を述べられています。
「しかれば如来の真説、宗師の釈義、あきらかに知んぬ、安養浄刹は真の報土なることを顕す。惑染の衆生、ここにして性を見ることあたはず、煩悩に覆はるるがゆゑに。」
親鸞聖人は、経典と天親菩薩・曇鸞大師・善導大師等の御文を通して浄土を「あきらかに知んぬ」なのです。体験を通してではありません。その証拠が後の文で、煩悩にまみれた衆生が仏性の浄土を見ることはできない、と仰っています。同じことで、「まことに知んぬ」は聖教を通して解釈するとこのように知らされたということであって、体験上知らされたのではないから、七高僧方と知らされた内容が違っていても、信心として異なることにはなりません。
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