一口問答(白道は自力か他力か4)
問い
「白道」を歩んでいる行者について、「もろもろの行業を回して直ちに西方に向かうに喩うるなり。」(教行信証信巻)と教えられています。これは、善を回向して浄土にむかう、という解釈もできますから、信前の自力の求道を表現されたものと言えます。
答え
「回して」の意味ですが、一般的には「回向して」と「ひるがえして」という2つの解釈があり得ます。しかし、ここでは後者の意味です。なぜなら、「白道」を信後の他力の意味でしか親鸞聖人は仰っていないからです。
「回して」が「回向して」だから「白道」が信前の自力だ、ではなく、「白道」が信後の他力だから「回して」が「ひるがえして」、なのです。発想が逆です。
したがってこの御文は、もろもろの善を捨てて直ちに浄土に向かう、という捨自帰他の行者を表されたものです。
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