二双四重の教判
福島の原発事故について一日中報道されていますが、意図的な情報操作がなされていることに気が付く方もあると思います。原子力の素人の私でもそれは判ります。データを提示されると説得力がありますので、そのデータが都合のよい部分だけ抽出されたり、関係ないデータと比較されたりすると簡単に騙されてしまいます。
ただし不安を煽らないようにしている意図が感じられて、結果的にはそれがよいことかもしれませんが、ひとつ間違えると非常に危険な行為にもなりかねません。
当ブログの趣旨は、原発について述べることではありませんので、詳しくは関係のサイトやブログを読まれればよいと思いますが、私が言いたいことは、専門家やそれなりの立場の人が言ったことが、必ずしも正しい情報ではないことを知って頂きたいということです。
高森会長は、日本一、世界一の仏教の先生と聞かされて、私は信じてきました。しかし、自分で聖教を拝読してみると、余りにも出鱈目な教えに驚嘆しています。聖教は専門用語が使われている上に古文であったことで、それを部分的に取りだされて断言されたら、専門的に勉強していない会員がそれを信じてしまうのも仕方がありません。
それで、当ブログではその嘘を暴いて、皆さん御自身で判断して頂きたいと思って書いています。読者の方には難しいこととは思いながらも、多くの根拠を挙げているのはそのためです。
さて法然上人は、いわば結論しか仰いませんでした。『選択本願念仏集』はその名の通り、18願1つについて教えられたもので、19願・20願への言及もありません。従って、往生のためには19願・20願について知る必要もなければもちろん実践する必要もないのです。法然上人は、往生のための最も近道だけを教えられたのです。
ところが、これでは根拠が曖昧に感じられるのです。都合のよいデータだけを抽出しているのではないか、聖道門は要らないのか、19願は無駄な願であったというのか、という非難が出てくるのは当然なことであったのです。
そこで親鸞聖人が仏教全体と18願との関係について体系的に教えられたのが、二双四重の教判と言われるものです。
「親鸞会教義の誤り」
親鸞会は諸行往生8
親鸞会は諸行往生9
に詳しく解説されています。
『教行信証』信巻・横超釈に
横超断四流といふは、横超とは、横は竪超・竪出に対す、超は迂に対し回に対するの言なり。竪超とは大乗真実の教なり。竪出とは大乗権方便の教、二乗・三乗迂回の教なり。横超とはすなはち願成就一実円満の真教、真宗これなり。また横出あり、すなはち三輩・九品、定散の教、化土・懈慢、迂回の善なり。
とあり、『愚禿鈔』にも
聖道・浄土の教について、二教あり。
一には大乗の教、 二には小乗の教なり。
大乗教について、二教あり。
一には頓教、 二には漸教なり。
頓教について、また二教・二超あり。
二教とは、
一には難行聖道の実教なり。いはゆる仏心・真言・法華・華厳等の教なり。
二には易行浄土本願真実の教、『大無量寿経』等なり。
二超とは、
一には竪超 即身是仏・即身成仏等の証果なり。
二には横超 選択本願・真実報土・即得往生なり。
漸教について、また二教・二出あり。
二教とは、
一には難行道 聖道権教、法相等、歴劫修行の教なり。
二には易行道 浄土の要門、『無量寿仏観経』の意、定散・三福・九品の教なり。
二出とは、
一には竪出 聖道、歴劫修行の証なり。
二には横出 浄土、胎宮・辺地・懈慢の往生なり。
小乗教について、二教あり。
一には縁覚教 一に麟喩独覚、二に部行独覚。
二には声聞教なり。 初果・預流向、第二果・一来向、第三果・不還向、
第四果・阿羅漢向、八輩なり。
ただ阿弥陀如来の選択本願(第十八願)を除きて以外の、大小・権実・顕密の諸教は、みなこれ難行道、聖道門なり。また易行道、浄土門の教は、これを浄土回向発願自力方便の仮門といふなりと、知るべし。
とあります。
二双四重の教判を親鸞聖人のお言葉を列記してまとめると以下のようになります。
竪超(頓教)
大乗真実の教
難行聖道の実教、仏心・真言・法華・華厳等の教
即身是仏・即身成仏等の証果竪出(漸教)
大乗権方便の教、二乗・三乗迂回の教
聖道権教、法相等、歴劫修行の教
聖道、歴劫修行の証横超(頓教)
願成就一実円満の真教、真宗
易行浄土本願真実の教、『大無量寿経』等
選択本願・真実報土・即得往生横出(漸教)
三輩・九品、定散の教、化土・懈慢、迂回の善
浄土の要門、『無量寿仏観経』の意、定散・三福・九品の教
浄土、胎宮・辺地・懈慢の往生
親鸞聖人は、このように仏教全体を4つに分けられて、法然上人が仰ったのは、真教・真宗の横超(18願)のことであると明らかにされたのです。もちろん膨大な根拠を挙げられた上で、法然上人の教えの正しさを証明されているのです。
更には、竪超・竪出・横出は、横超へ導くための権仮方便と見做されているのです。
何度も何度も言っていますが、権仮方便とは、それが権仮方便と判らず真実と思っている人には権仮方便として必要なのであって、権仮方便が権仮方便と判っている人には不要なのです。法然上人は後者の立場で仰ったに過ぎませんが、そのために激しい非難があったので親鸞聖人は前者を説明されたのです。
この基本的なことを踏まえれば、親鸞聖人の教えは実に簡単なのです。法然上人も親鸞聖人も蓮如上人も、竪超・竪出・横出という回り道をするな、横超の直道だけだ、としか仰っていません。
ですから、法然上人も親鸞聖人も蓮如上人も、竪超・竪出・横出を勧められたお言葉は、1つもないのです。
こんな初歩的なことを間違えて教えているのが高森会長です。原子力のことは難しくて理解できなくても、読者の皆さんならば親鸞聖人の教えを正しく理解することはそれほど難しいことではありません。
高森会長の教えていることから、断章取義、捏造、改竄、歪曲を取り除いたら、残るものは私利私欲の教えだけになるとはっきりします。
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コメント
身近に癌末期の30年も会員の人がいます。痛み止めを飲みながら、副作用の眠気と戦いながらも、必死で財施、法施をしています。かわいそうでなりません。
まるで講師のいいなりです。
講師のいいなりにすることが生きがいのように見えます。
私はこのようなブログのおかげでで、会員にはならずほんとうにたすかりました。このような情報がなければわたしも奴隷になってたと思うとぞっとします。ただお世話になった会員さんには、何もできづ苦しいです。割り切るしかないとわかってますが。
飛雲様にはこれからもがんばっていただかなければとおもっています。私は助けられたのに、何もできずすみません
投稿: 雪の精 | 2011年3月21日 (月) 21時31分
雪の精 様
何ともかわいそうなことです。
もし可能であれば、
死期の迫った人に、何を勧めるのか?
でも書きましたように、その会員さんに念仏を勧めてください。
臨終間近の人に善を勧めるのは、完全にカルトです。会員さんのことなど、まるで考えていないハイエナのような者のいない間に、必ず往生するぞと思って念仏を称えるように勧めて下さい。
私が助言できることと言えば、それだけです。
投稿: 飛雲 | 2011年3月22日 (火) 22時29分
助言ありがとうございました。
私を会に戻すことが、彼女の最後の最大の法施になると、講師から言われたとのこと、講師自身も私を戻すことが今までの最高の法施だと、まるで脅しのようなことをのべています。
助言のように私は念仏のみ・念仏のみを彼女に称えるようはなします。
投稿: 雪の精 | 2011年3月23日 (水) 12時29分