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2010年5月28日 (金)

[mixi]三願転入議論の解説2

親鸞聖人は、『平等覚経』『大阿弥陀経』のことを御存知なかったのではないか、と思われる方もあるかもしれません。しかし、それは大間違いです。

『教行信証』行巻に

『仏説諸仏阿弥陀三耶三仏薩楼仏檀過度人道経』(上)[『大阿弥陀経』といふ、『二十四願経』といふ]にのたまはく、「第四に願ずらく、〈それがし作仏せしめんとき、わが名字をもつてみな、八方上下、無央数の仏国に聞かしめん。みな諸仏おのおの比丘僧大衆のなかにして、わが功徳・国土の善を説かしめん。諸天・人民・蜎飛・蠕動の類、わが名字を聞きて慈心せざるはなけん。歓喜踊躍せんもの、みなわが国に来生せしめ、この願を得ていまし作仏せん。この願を得ずは、つひに作仏せじ〉」と。

『無量清浄平等覚経』の巻上にのたまはく、「〈われ作仏せんとき、わが名をして、八方上下、無数の仏国に聞かしめん。諸仏おのおの弟子衆のなかにして、わが功徳・国土の善を嘆ぜん。諸天・人民・蠕動の類、わが名字を聞きてみなことごとく踊躍せんもの、わが国に来生せしめん。しからずはわれ作仏せじ〉と。

と『大無量寿経』18願に当る『平等覚経』17願と『大阿弥陀経』4願が引用されています。親鸞聖人は『大無量寿経』を中心として、その異訳本と比較されながら『大無量寿経』の御心を明らかにされているのです。

話は逸れますが、『大無量寿経』18願の「若不生者」は、『平等覚経』17願と『大阿弥陀経』4願ではそれぞれ「わが国に来生せしめ」とありまして、当益の意味しかありません。高森会長の邪説は、こんなところでも明らかになります。

ただし、『大無量寿経』19願に当る『平等覚経』18願と『大阿弥陀経』7願について直接言及されているところはありません。しかし、親鸞聖人はこれらを御存知の上で、『大無量寿経』の「十方衆生」の違いを「唯除五逆誹謗正法」の有無で分けられたのです。

ですから、『大無量寿経』19願については、菩薩行を行える善人が対機であることを踏まえられた上で、『教行信証』化土巻の要門釈の最初に、

しかるに濁世の群萌、穢悪の含識、いまし九十五種の邪道を出でて、半満・権実の法門に入るといへども、真なるものははなはだもつて難く、実なるものははなはだもつて希なり。
偽なるものははなはだもつて多く、虚なるものははなはだもつて滋し。ここをもつて釈迦牟尼仏、福徳蔵を顕説して群生海を誘引し、阿弥陀如来、本誓願を発してあまねく諸有海を化したまふ。

と仰ったのです。
直訳をすれば、

さて、五濁の世の人々、煩悩に汚れた人々が、九十五種のよこしまな教えを今離れて、仏教のさまざまな法門に入ったといっても、教えにかなった真実のものははなはだ少なく、虚偽のものははなはだ多い。
このようなわけで、釈尊は、さまざまな善を修めて浄土に往生する福徳蔵と呼ばれる教えを説いて多くの人々を誘い入れ、阿弥陀仏は、そのもととなる誓願をおこして広く迷いの人々を導いてくださるのである。

です。
こうへい氏は、後半の部分を断章取義して、要門19願は一切衆生のための願と主張しましたが、前半を読まれれば判る通り、半満・権実の法門(聖道門)の修行に行き詰まった人を導くのが19願だと親鸞聖人ははっきり仰っています。
菩薩行を行える善人が対機の19願ですから、親鸞聖人の解釈は極めて自然なものです。

これは親鸞聖人独自の解釈ではなく、法然上人の『西方指南抄』(親鸞聖人御真筆)には

第十九の願は、諸行之人を引入して、念仏の願に帰せしむと也。

とあります。聖道門の人を18願に帰せしめるための願と仰っています。
また親鸞聖人が間違いない人と尊敬されていた隆寛律師は

先師律師つねにのたまはく、隆寛こそ十九願の機よ。其故は、本と円宗の菩提心を発して、聖道の出離を期せしほどに、末法に生をうけたる身、涯分をしる故に、聖道の出離の叶ふまじきいはれを心得て、浄土門に入れるなり。

と言われていたと弟子の記した『広疑瑞決集』にあります。隆寛律師御自身の体験から、聖道門から浄土門に入ることができたのは、19願の権仮方便によるものと味わわれたのです。隆寛律師のこの告白に影響を受けられて、親鸞聖人は三願転入の文を書かれたといわれています。

聖道門の人を浄土門に誘引する願と法然上人、隆寛律師は解釈されたのですが、親鸞聖人も同様のことを仰ったのが要門釈の最初のお言葉です。

ところが親鸞会及びこうへい氏は、浄土門の人も19願を必ず通らなければならないという解釈をしていますが、どこをどう読んだらそんな珍説になるのでしょうか。まともな思考でないことだけは確かです。

この時点で、こうへい氏が逃亡しておれば、傷は浅かったのでしょうが、しつこく詭弁を駆使して珍説を述べてくれたお陰で、19願についてより詳しい説明を引き出すことができました。
その意味では、こうへい氏に感謝です。

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